理想のウルトラクイズ[16]・30年前と同じ問題
公開日:
:
最終更新日:2015/07/12
第2章・プロジェクト"リスペクト"始動
ウルトラクイズの制作物語を妄想するブログ、
「理想のウルトラクイズ」の第16回目です。
妄想に登場する大統領の名前を「ガーター大統領」、
施設の名前を「シーミュージアム」に変えて、リンクを外しました。(あぶないあぶない)
前回:理想のウルトラクイズ[15]・早押しクイズ第1問とサンディエゴ
[今回の話は一部を除いてフィクションです。]
- 以下妄想 -
第1回アメリカ横断ウルトラクイズ・サンディエゴのゲストクイズで
ガーター大統領の場面を見た有休は、突然大声をあげた。
「これだあ!」
有休の大声に近くに居た吉川が驚く。
吉川「ちょっ、驚かさないでよ!」
有休「吉川さん、パソコンで検索して!!」
吉川「な、何を検索するのよ?」
有休「サンディエゴと、半角スペース空けて、シーミュージアム!」
吉川がノートパソコンのキーを叩くと、検索結果のトップに現れたのは
サンディエゴ・シーミュージアムのウェブサイト。
有休「ちょっと見ていいですか・・・
おお!!やっぱりシーミュージアムって今もあったんだ!」
吉川が検索結果のリンクをクリックし、シーミュージアムのトップページを開くと
有休は「シャチ、シャチのプールを探してください!」と依頼した。
PARK MAPの地図へ移動すると、シャチの絵が描かれたシミュ・スタジアムを発見。
地図の中から“SHIMYU STADIUM”と描かれた場所を指さした有休は、
「工藤さん、ゲストクイズの場所ってここですか?」
すると横からパソコンの画面を見た工藤氏は
「ああ、ゲストクイズはこの場所だよ。」
すると有休は、ニヤリと笑みを浮かべた。
「工藤さん、決まりました。
復活版ウルトラクイズの第4チェックポイントが。」
工藤氏は直感で有休が何を考えているか分かった。
その直感は当たった。
「それは、シーミュージアムでのゲストクイズです。」
工藤氏の目が光る。
有休「会場はシーミュージアムの“SHIMYU STADIUM”。
スタンドに早押しテーブルを並べて、第1回と同じように挑戦者を座らせるんです。
すると、会場に一台の車が現れます。その周りをSPが固めます。
車から降りてくるのは・・・ブッフ大統領。そっくりさんではありません。
本物のブッフ大統領を登場させるんです。」
ジョー・W・ブッフ氏は、アメリカ合衆国の現大統領である。
「もちろん、ブッフ大統領も三択クイズを出題します。その中の一つが・・・」
「有休君、まさか」
「『私は誰でしょう?』。30年前と同じ問題です。
つまり、30年前と同じ場所、同じ問題、同じ選択肢、
そして同じシチュエーションでやるんです。」
有休は第1回ウルトラクイズ当時のクイズをリスペクトし、
同じ場所、同じシチュエーションでそのまま出題するというのだ。
復活版アメリカ横断ウルトラクイズのコードネームは“リスペクト”。
アメリカ本土上陸となる第4チェックポイントの目玉はこれしかないと有休は考えていた。
ただ、第1回と違うのは正解は“そっくりさん”ではなく本物である。
工藤「ブッフ大統領の登場か・・・本当に実現したら面白くなるが」
吉川「そんな事できるわけないでしょう。」
異論を放ったのは吉川だ。
「日本のクイズ番組のためにブッフ大統領が出演するはずがないわ。
大統領の所までウルトラクイズが行くならともかく、
サンディエゴに連れてくるの?そんなの絶対無理よ。」
吉川の言葉に有休の自信が揺らぎはじめる。
吉川「それに『私は誰でしょう?』なんて問題、簡単すぎない?
本物のブッフ大統領がいるのに、”そっくりさん”って答えると思う?
全員が正解するような問題を出して、面白いはずがないわ。」
がーん。立て続けに指摘され、ヘコむ有休。
だが、有休は必至に説得した。
有休「吉川さん、違うんです。例え全員が正解しようとも、
それを面白く見せるのがテレビです。
それがドキュメンタリーになるんです!」
工藤「だが、有休君。大統領をサンディエゴに連れてくることすら難しいぞ。
クイズ当日に大統領がサンディエゴ付近に訪問する予定があるならまだ可能性は残されているだろうが、
クイズ番組のために出演してもらうなんて、相当な金と運が必要だ。
まあウルトラクイズを復活させるのと同じくらい難しいだろうが。」
それでも有休は信じていた。ある制作会社の力を。
有休「確かにブッフ大統領をサンディエゴまで連れてきて
ウルトラクイズに出演させるのは難しいかもしれません。
でも、それができるかもしれない制作会社があるんです。」
勘のいい工藤氏は気がついた。
工藤「・・・メディアマンユニオン、だね。」
有休「そうです、さすが工藤さん!」
有休は語り始めた。
「メディアマンユニオンが制作している『世界不可思議発見!』の話ですけど、
中国で、すんごい透明度のある湖※を特集していたんです。」
※これは妄想ではなく、実在する場所ですが、九寨溝(きゅうさいこう)という名の自然保護区で、世界自然遺産にも登録されているそうです。
有休「そのとき、世界で初めて湖の中を水中カメラで撮影したんです。」
有休によると、自然遺産にも登録された九寨溝の水中撮影を許可され、
世界初の撮影を『不可思議発見!』が行ったのだという。
有休「中国のテレビがやった事のない事を日本のテレビが撮影できたのは
すごい事だと思うんです。それは、コーディネーターの力もあるでしょうし、
何より制作会社のメディアマンユニオンの力によるものが大きいと思うんです。」
有休は、メディアマンユニオンが培った海外ロケの経験や
力のあるコーディネーターとのネットワークが凄いのではないかと推察する。
「メディアマンユニオンには、実現性の低いロケでも、実現できてしまうコネクションがあるのではないかと思うんです。
ウルトラクイズだって、ホワイトハウスの前でクイズをやった事があったでしょう?※
あれだって撮影の許可が必要なはずです。
ブッフ大統領のスケジュール次第ですが、ひょっとしたら、
大統領を呼ぶことだって夢物語ではないはずです。」
※ホワイトハウスの前でクイズを行う映像が今世紀最後の事前番組で映ったのを覚えていた。
工藤氏は有休の話を静かに聞いている。
有休「工藤さん、僕は今度の復活ウルトラミーティングで、第4チェックポイントでこの演出を押し進めるつもりです。
だけど他のスタッフから反論があるかもしれません。
この形式、演出を実現するためには工藤さんにも納得していただいて、
スタッフを説得していただきたいんです。」
工藤氏は重い口を開いた。
「有休君、私はそのミーティングに白石氏を呼ぶつもりだ。」
えっ、メディアマンユニオン代表取締役の白石清さん!?
有休は動揺するが工藤氏は話を続ける。
「その白石氏の前で、この演出を進めるための想いをぶつけて欲しい。」
一呼吸置いて工藤氏は
「私が有休君の自己紹介のとき、
『君の考えるウルトラクイズが復活版ウルトラクイズになる』
と言ったが、その考えに偽りは無い。
今は君のやりたいウルトラクイズを考えていればいい。」
「工藤さん・・・」
「我々スタッフはどうすれば実現可能か検討し、実現に向けて動きだす。
当然、何かあったときの代替のクイズ形式も君に考えてもらうし、
大統領を呼ぶのが不可能だと分かれば、そちらに切り替えてもらう。」
そして工藤氏は最後にこう付け加えた。
「君は制作総指揮だ。自信を持って、やりたいようにやってくれ。」
その言葉に有休は重い足かせが取れたように感じた。
やってやる、やってやるぞ!!
改めて有休は復活ウルトラクイズを成功させたいと強く願った。
工藤「ところで有休君、菅家アナには
『ブッフ大統領のそっくりさんが来る』と伝えておくのはどうかね?」
有休「えっ」
- ここまで -
第11話から5回に渡ってお送りした第1回ウルトラクイズのVTR視聴編(?)ですが、
ここで小休止。次回からまさかの第3章突入です。
(VTR視聴はまだ続きます。)
この判断が妄想にどう影響を与えるでしょうか。
[追記 2015/07/12]
次回も引き続き第2章で進めます。
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